「PIPO X10(新版)」TV Box?小型デスクトップ!?タブレットを分厚くしただけじゃない、その実力は? 開封レビュー

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「PIPO X10」はTV Boxと呼ばれる、主にテレビに接続してマルチメディアコンテンツを視聴・利用する機器です(例:Fire TV)。しかし、一般的なTV Boxがテレビ等のHDMI端子に接続しなければ画面を出力できないのに対して「PIPO」のTV Boxシリーズはどれも液晶画面を持ち、単体で使用する事ができます。どちらかと言えば、タブレットの範疇に入る製品だと思うのですが、一応テレビ接続で使う事も可能です。 中でも最も大型の「PIPO X10」は10インチで1920x1280ピクセルという高解像度なディスプレイを搭載し、CPUには若干の仕様変更がなされたZ8350。さらにメモリ4GB・ストレージ64GBとAtom機としては申し分のないスペックとなっております。他にもUSBポートを4つに有線LANポート、TV BoxらしくHDMIポートなど、外部接続端子も豊富で、デスクトップマシンのように使用する事も可能です。

購入にいたるまで

常時起動させていた「Mac mini」が使えなくなったので、代わりのマシンを探していました。 最初は色々妥協してスティック型のAndroidNASの連動で使おうと思っていたのですが、やはりPCでなおかつ有線LANが使えないと何かと不便だと思っていた所に、前々から興味のあった「PIPO X10」が値下がり気味だったので購入してみました。 (「Mac mini」を新調するというのは、新しいのが出てないのでナシ。省電力・静穏・高性能を兼ねそろえていて、結構好きなのですが・・・今回の用途だとWindowsで十分) Atomならば省電力だし、Androidだとできる事が限定的なので、安心のWindows10搭載(一応「PIPO X10」はAndroidとのデュアルOSです)は助かります。OSが違うことを除けば、今まで使っていた「Mac mini」と同じ事が出来るわけですから。 外からリモートで操作するので、画面は必要ないのですが、あれば便利ですし何より「PIPO X10」はバッテリーまで(大容量の10000mAhを)搭載しています。あまり持ち運ぶことはないとは思うのですが、これならリビングで何かする時にも役立ちそうです。 常時起動のデスクトップ代わりという私の使い方より、リビングPCやセットトップボックスとしての方が、使用目的にピッタリな人がいると思いますが、とりあえずこのままレビューを進めたいと思います。 国内だと現時点でAmazonで売ってないので楽天へのリンクです。

こちらはPIPOのTV Boxシリーズ。GOLE1はPIPO X3としても売っていますね。
海外通販の場合はこちら。GearBestの商品情報です。 icon icon

開封レポート

大きめのしっかりした箱です。 PCと言うより家電を購入した時の感じに近いですね。
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しっかり包装されています。 内容物は本体の他にマニュアルとACアダプタのみです。
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無骨な感じを想像していましたが、スリムベゼルのおかげか、意外とスタイリッシュ。 くさび形の本体と大きめのアンテナが特徴。こんな形のガジェット、なかなかお目にかかれません。 変わったデザインのマシンが好きなので、かなり気に入りました。
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向かって右側です。目立つところでスピーカ穴がありますね。 「PIPO X10」は一応ステレオのようなので、左右にスピーカが搭載されています。 ボタンやポート類は手前から電源ボタン、ボリュームボタン(+、-)、USB2.0ポート、USB3.0ポート、オーディオジャックです。
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ロゴマークとタッチ式のWindowsボタンは前面にあります。 液晶面から見るとベゼルが狭くて、なかなかカッコいいですよ。
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向かって左側はスピーカのみ。 スピーカの音質はあまりよくはないのですが、タブレットに比べて大音量で鳴らせます。
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背面には左からmicroSDスロット、USB2.0が上下に並んでいます、HDMI端子、有線LAN、DC5Vのプラグ穴です。 スリットはファン用かな?ひっくり返した下部にもファン用と思われるスリットがあります。 タブレットのような構成なのに、排熱を頑張っているのは意外ですが、パフォーマンスや製品寿命を考えると有難いですね。今回の私のように、常時起動させようと考えている人間には特に助かります。
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デスクトップ用のキーボードと一緒に並べてみました。こうやってみると小さいです。 ちなみに、結局Bluetothキーボードに落ち着きました。後述しますが、この製品ちょっとUSB関係に問題ありです。
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とりあえず、起動してみる

電源を入れてみましょう。 「プォーン」と恐らくファンが回っている音がします。 静かな場所だと、ちょっと煩いです。まぁ、デスクトップPCと比べればマシかな? でも、Windowsを起動状態だと、ファンコントロールが効いているので煩くなったり静かになったりと変動するのですが、Androidで起動すると、なぜかファンが回りっぱなし。電源オフにして充電マークだけにしてもファンが回っているのはなんかイヤです・・・ (一度Androidが起動して、スリープ後しばらくするとファンは静かになりました。その後は重い処理をしない限りファンは煩くならなかったので、一応コントロールされているのかな?。でも、電源OFFでの充電中は回りますね・・・) 液晶は明るくて奇麗です。タブレットでもよくある10インチなのですが、ベゼルが狭いのと変わった形のせいか、なんかあまり体験したことのない新鮮な感覚を覚えます・・・
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解像度は1920x1280ピクセルというちょっと変則的なもの。1920x1080ピクセルフルHDよりも縦に200ピクセルも広いです。これが何気に便利で、編集作業のみならずWEB閲覧でも、フルHDに比べて若干快適に感じます。
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ちなみに、写真の状態は日本語Windows10(RS1)をクリーンインストール済みのもの。 中華機のクリーンインストールでは、よくWiFiやタッチパネルがおかしくなったり不具合が出るので、ライセンスやドライバ等をバックアップして万全を期して挑んだのですが、あっさりドライバも当たりました。 Windows機としてはなかなか良さげです。 でも、個体差なのか使っているとスピーカから異音がします。 特に有線マウスや有線キーボードなどのUSB機器を使っていると鳴ります。 USBメモリにアクセスしていても鳴ります。 さらに、USB機器が頻繁にエラーになって切れたり、電力不足になります。 これでは、まともに使えません・・・マウス等はBluetooth機器を使えば異音はしないので良いですが、外付けHDDを繋げっぱなしで使いたいので、これは困る・・・ちなみに、バスパワーのHDDは別の方法で電力を供給してあげないと認識すらしませんでした。 あと、背面USBはUSBメモリは使えましたが、電力不足でマウスやキーボードを認識してくれませんでした。

ファンが煩いのと、USBが不安定なのでBIOSを見てみる

USBが不安定なのをなんとかできないかな?と思って起動画面の右上にある設定ボタンを押してみます。
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BIOSが起動しました。このBIOS画面はタッチのみで操作できます。
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右上に「ESC」ボタンと、タッチキーボードを表示させるボタンがあります。
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キーボードはこんな感じ。
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設定項目は非常に多いです。
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とりあえず、USBの項目を開いて・・・
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どのみち使えない背面USBをオフにしてみたり、設定を色々変えてみますが、結局は有効な手段はありませんでした。ノイズは乗るし、電力は足りません・・・ 公式サイト?の掲示板でも、これらの問題が質問されていて、ファームウェアのアップデートで対応するとの回答がありましたので、ファームウェアのアップデートを期待して待ってみます。 ファームウェアのダウンロード場所はこちら

Androidで起動

ひとまずWindowsは置いておいて、私はあまり使わないと思いますが、せっかくのデュアルOSなので一応Android側の使用感を報告。 くさび形の形状はテーブルに置いた場合に見やすいですし、無線LANの感度も良いので、リビングやキッチンに置く端末にするのもアリです。そんな人にはAndroidの方が使い勝手は良いかも。 あとUSBさえ使わなければ、不具合はないに等しいので、普通のタブレット的な使い方なら、上で述べた気になる点は問題なし。
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かなり素のAndroidに近いものです。写真ではホームを入れ替えています。 ここからは見やすいようにスクリーンショットでご紹介。
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Androidの使用感

解像度が高いので、写真の表示も奇麗です。 CPU等のスペックも高いので、サクサク動きます。 普段使いでは不満の出ることはないでしょう。
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メニューも素のAndroid。きちんと日本語にも対応しています。
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ミドルレンジのマシンには結構重いと思われる3Dゲームを動かしてみましたが、サクサクです。
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同じくらいのスペック(Z8300)のタブレットに入れたAndroidエミュレータではかなり重かったゲームも全く問題なし(エミュレータと比べるなよ・・・)さすがデュアルOS。
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ベンチマークを取ってみると「58319」とまずますの数値。 「HiBook」や「iWork10」よりも若干上なのは最新のCPUのおかげ?
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リビングで使うならWindowsよりもAndroidの方が使い勝手は良さそうだし、Androidメインで使うなら、特に不満が出ることはないでしょうね。

Windowsの使用感

私の場合、肝心のWindowsでの使用感が大事。 USBが不安定な問題で、外付けHDDを繋げて常時起動するにはちょっと心もとなかったのですが、電源を別から引っ張ってきて丸一日使ってみたら、とりあえず切れることはなかったです。 ファンのおかげか、本体が熱くなる事もなく、調子は良いです。
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ちなみに、Androidとの切り替えはこちらのソフトを使います。
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有線LANが使えるのでNASとのやり取りも高速ですし、外部からのアクセスでも快適です。 外付けHDDも問題なく使えていますし、デスクトップ代替としては概ね満足です。

Windowsでゲームを遊んでみる

ついでなので、使ってない本体の空き容量にゲームをインストール。 PS3クラスのゲームなのですが、結構軽々動いています。なかなか侮れません。
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PS4にも出ているこちらのゲームはさすがに重いですが、解像度を落とせば遊べました。
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解像度や効果をフルで使用しなければ、3Dゲームでもそこそこ遊べます。

まとめ

商品としてはとても魅力的なのですが、個体差なのかPIPOのセイなのか、他の中華タブレットメーカーより気になる点が多かったです。 まず、目立った不具合のまとめを・・・USBポートがどれも電力供給不足で不安定です。 外付けHDDを繋げて使いたかったのですが、省電力を期待して使っているバスパワー型の2.5インチタイプだと、電力不足で認識すらしませんでした。二股に分かれたUSBケーブルか、電源付きのハブを使って、結局他から電力を供給してあげないと、全く使えません。 有線マウスや有線キーボードですら電力が足りなくてエラーが出る始末。マウスとキーボードはUSBは使わずに、できるだけBluetooth接続にしましょう。どうしても有線で使う場合は側面にあるポートを使ってください。背面はUSBメモリくらいにしか使えません。側面もUSB3.0ポートはたまに認識エラーになったり不安定なので、USB2.0ポートの使用をお勧めします。 そして、不具合だと思うのですが、USB機器を使うたびにスピーカーから不快なノイズ音が鳴ります・・・。マウスを動かしたり、USBメモリへのアクセスが入ると、ノイズ音が鳴ります・・・ (この異音についてはYoutubeで海外の人が動画をアップしてくれています) ドライバとかBIOSをいじってみたのですが、原因が不明でした。多分シールドが上手くいっていないとかハード的な問題かな?電力の問題はファームウェアのアップデートで治りそうだけど、異音は難しそう? 次にファンが少し煩いです。大きな音ではないんですが、高周波でブーンと鳴っているので、静かな環境だと気になります。スリープ状態でもたまになったりします。デスクトップPCだと思えば良いのですが、タブレットだと思うと、ちょっと不快な感じ。周囲が煩ければ気にならないのですが・・・ この2点に我慢できれば、かなり面白いガジェットだと思います。 上にあげた不具合も、ぶっちゃけUSB機器を使わなければ、全く問題ない事ですけどね。 画面は高精細で奇麗だし、スペックもそこそこあるので「Mac mini」ほどじゃないにしても、大抵の作業を卒なくこなせます。フォトレタッチにも使えますし、ゲームなんかもPS3クラスのものが遊べるので、動画を見たり、簡単な編集作業がメインのライトユーザーの方ならば十分満足できる性能でしょう。 ちなみに、Androidは最初からroot化された状態でした。初期化しても変わらず。 国内だと現時点でAmazonで売ってないので楽天へのリンクです。

こちらはPIPOのTV Boxシリーズ。GOLE1はPIPO X3としても売っていますね。
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