「LEPOW Z1」低価格だけど高品質な15.6インチのポータブルFHDディスプレイ!スマホもOKなケーブル1本のラクラク接続 レビュー

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「LEPOW Z1」は15.6インチのIPSパネルを採用したFHD(1920x1080ピクセル)のポータブルディスプレイで、HDMIもしくはUSB Type-Cでの映像入力が可能です。低価格ながらHDRの表示機能も搭載されております。

 

ポータブルディスプレイについて

PCの作業効率を高める上でデュアルディスプレイ(デュアルモニタ)化は欠かせない要素の一つと言えるでしょう。最近ではトリプルディスプレイ以上なんて人も多いと思います。 私の場合も例外ではなくデスクトップPCではトリプル、もしくはデュアル。ノートPCの場合も作業をする場合は、出来ればデュアルディスプレイ環境を整えてきました。ただし持ち運んで使う事の多い、薄型ノートPCの場合は外部に出力できる端子が無い事も多く、その場合はUSB接続のみで、さらに外部電源不要でデュアルディスプレイ環境を構築できるASUSの「MB168B+」を使っておりました(最近ではオルタネートモードで映像出力も可能なUSB Type-Cのモデルが増えてきたのが嬉しいところ) この「MB168B+」、当時はHD液晶(1366x768ピクセル)ばかりのポータブルディスプレイ界隈において、FHD(1920x1080ピクセル)と高解像度で、さらにデザイン性もよく、かなりのお気に入りで、5年くらい使ってきたのですが、ついに壊れてしまいました。

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写真を見て頂ければ分かる通り、落としたワケでもないのに、プラスチックの筐体が経年劣化で割れたりもしております(恐らくiPad用のタブレットスタンドに縦置きに置いていたので、負荷が掛かったのだと思われます) 代わりに、後継となる「MB16AC」あたりが欲しかったのですが、セールでも3.5万円と高価で(「MB168B+」も結構高くて悩んだ記憶が・・・)なかなか手を出しにくい価格です・・・。 しかも「MB168B+」はHDMI等の映像を出力するタイプではなく、専用のドライバをインストールしてUSBポートから映像を転送してディスプレイに映し出すタイプだったので、PCのスペックによっては、遅延や劣化が気になったり、WindowsではOSを巻き込んで頻繁に落ちます。 さらに、先に述べたようにHDMIが使えないという事は汎用性が低く、ゲーム機やスマートフォン等の映像出力も出来ません。「MB16AC」ならば、USB(専用ドライバ)接続に加えてUSB Type-Cでの接続も可能なようで、上記の不満は減りますが、如何せん価格が高いです・・・。 そんな折に、Amazonやレビューサイトで評判の良い「LEPOW」等のポータブルディスプレイを目にしました。他にも、黎明期の頃から有名なGeChicの「On-Lap」シリーズ等も検討したのですが、こちらは見た目がちょっと古臭いのが残念・・・(笑) 一方「LEPOW」はASUSのポータブルディスプレイと比べても、スペック・デザイン的に遜色なく、さらに価格がASUSよりも圧倒的に安いです(しかも安価な「On-Lap」シリーズよりもさらに低価格)

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今回レビューする「LEPOW Z1」は15.6インチのIPSパネルを採用し、解像度がFHD(1920x1080ピクセル)のポータブルディスプレイで、HDMIもしくはUSB Type-Cでの映像入力が可能なモデルです。モバイルとしては大型ではありますが、ベゼル(額縁)が細いのに加えて、薄型軽量なので意外と小さく感じます。価格とスペック、使い勝手のバランスを考慮し、レビュー等でも評価が高いのが決め手となりました。 (付属のマニュアルやAmazonの製品ページではsRGB 72%やsRGB 85%と書かれていますが、NTSCの誤表記ではないでしょうか?実際にsRGB 100%のディスプレイと比べても「LEPOW Z1」の方が綺麗です・・・恐らくNTSC 72%=sRGB 100%、NTSC 85%=sRGB 120%くらいが正しいのでは?と思いました) [7/18 追記] メーカーさんに問い合わせたところ、やはりNTSCが正解のようです。どのWindowsのノートPCよりも色味が綺麗だったので、おかしいと思いました・・・。その後、Amazonの商品ページがsRGBからNTSCに修正されておりました。でも、既に印刷済みのマニュアルはsRGBのままかもしれませんね。 ▼ こちらが今回レビューするsRGB色域のカバー率85%のモデル(NTSC 85% = sRGB 120%では?) ▼ 他にもsRGB色域のカバー率72%(NTSC 72% = sRGB 100%では?)のモデルや色違いのモデルがあります

 

開封レポート

では、スペック等の詳しい解説は後回しにして、早速開封してみたいと思います。

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シンプルなデザインのパッケージの中には、商品との間にスポンジのような緩衝材が入っていました。

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付属品は、既に本体に取り付けられているカバーの他に、3種類のケーブルとUSB電源アダプタ、日本語の説明書と保証の延長カード。あと、本体の下になって見にくいですが、液晶保護シートと保護シート貼り付けの補助用具がありました。

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液晶保護シートが付属するのは嬉しいですね。ただ、大型の製品だけに貼り付けの難易度がかなり高いです。ホコリ取りを頑張っているうちに気泡が入りまくってしまいました。しかし、次の日になったら気泡はほぼ消えていたので、ホコリさえ綺麗に取っていれば満足できる状態になると思います。 写真を撮ってから、液晶保護シートを貼れば良かった・・・(映り込みが酷いです・・・せっかくのアンチグレアなので、保護シートを貼らないという選択肢もアリだと思います)

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付属のケーブルは、映像入出力可能なUSB Type-Cケーブルと、給電専用のUSB Type-Cケーブル(写真では電源アダプタに接続済み)、HDMIケーブルの3つです。HDMIケーブルは片方がMini HDMI端子で「LEPOW Z1」本体に接続用、もう片方はフルサイズのHDMI端子となります。

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本体はケースに入った状態で収納されていました。

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裏側はサラサラした手触りのアルミと思われる材質。ボタンやポートの説明がプリントされていますね。本体サイズは368 x 225 x 8.8 mmと非常に薄型。

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液晶面向かって右側のボタン・ポート類の拡大。写真左側から、電源ボタン(OSD操作では戻るボタン)、OSD操作用のダイヤル型のキー、そして給電専用のUSB Type-Cポートです。中央の二段になって穴が開いている部分はスピーカーです。スピーカーの音質は同カテゴリの製品にありがちな、おまけ程度の物ですが、あるのと無いのでは利便性が違います。

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液晶面向かって左側のボタン・ポート類の拡大。写真右からオーディオジャック、映像出力兼用のUSB Type-Cポート、そしてHDMI端子です。

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ケースはその昔「MB168B+」に付属していたものと同じ機能性。まぁ、このタイプのポータブルディスプレイ用のケースはだいたい同じような物ですね。ちなみに本体とは磁石でくっつきます。

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「MB168B+」と並べてみると、画面の大きさは同じなのに、狭ベゼルのおかげで本体サイズは小さいです。さらに金属部分が多く高級感があります。

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ケースの下部にある溝に立てかけて置いたところ。こちらは奥の方。

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こちらは手前の溝に立てたところ。少し角度が付きます。

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ケースと一緒に使うと、まるでタブレットPCに見えますね。

USB Type-Cケーブルで接続する

では、実際にノートPCに繋げて使って使ってみましょう。 PCの方に「DisplayPort Over USB Type-C」の機能があればオルタネートモードを利用して、「LEPOW Z1」に映像を出力することが出来ます。

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この時、USBケーブルは液晶向かって左側のポートに接続します。

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PCの方にもう片方を接続して完了です。電源もPCから取るので、ケーブル1本の非常に簡単な接続です。

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写真では右側のポートにもUSBケーブルが差し込まれていますが、電力が足りない場合は「明るさ」の設定が保存されない(消費電力の関係で、起動時に自動的に明るさが下げられるのかな?)仕様らしいので、こちらにも給電専用のUSBケーブルを接続しております。デスクトップ型のPCに接続した場合はきちんと「明るさ」の設定が保存されておりました。

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Windows10でもデュアルディスプレイにした所。

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OSD(オンスクリーン・ディスプレイ - 設定用のメニュー)の画面は、この手のデバイスでよく見かけるタイプですね。皆同じコントローラを使っているっぽいです。

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デスクトップPCに接続して色調整

お次はデスクトップ型のPCに接続してみます。

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青みが気になるので「LEPOW Z1」の設定で赤を強めてみました。 Macの方は色は調整済みなので、それに合わせて「LEPOW Z1」を手動で微調整する作業を行います。

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iMacで下の写真の用な色味に見えているものが・・・

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「LEPOW Z1」に持ってくると、こんな感じ。

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カラーバーで調整してみたり・・・

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色々いじって・・・なんとか妥協点を見つけました。

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Macと比較せずに、単体で見ると十分綺麗なんですけどね。 ただ、写真や動画編集で使うには、手動である程度調整した方が良いと思いました。

スマートフォンと接続してみる

スマートフォンがMHL(microUSBの頃からあるUSBで映像を伝送させる規格)に対応していれば、USB Type-Cから映像出力が出来るはず。GalaxyやXperiaくらいのハイエンド機種なら出来るだろうと思って、USB Type-Cを搭載した機種を引っ張り出して接続してみました。 ・・・あれ?Xperia XZ Premiumではウンともスンとも言わないぞ?と思ったら、この世代のあたりだけMHLが削られていたんですね・・・。

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気を取り直してXperia 1に繋げてみたら、すんなり映りました。

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給電と映像の伝送は、スマートフォンからケーブル1本で行われるので、本当に手軽です。

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しかも、右側のUSBポートに給電用のUSBケーブルを差し込めば、スマートフォンの給電・充電も行われるので、電池切れの心配も要りません。車で遠出するときに「LEPOW Z1」を持っていけば、15インチの大画面で動画等が見られるので、子供達も大喜び!?GoogleMapsも使えるので、大画面カーナビにもなりますね。

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動画を再生させてみましたが、非常に滑らかで綺麗に表示されますね。

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大画面でスマホゲームも捗る・・・かな?コントローラーに対応してないと、無茶苦茶遊びにくいですけどね(笑)一見タブレットに見えるので「LEPOW Z1」をタッチしたくなっちゃう。

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その他の機器に接続してみました

普通のHDMI接続でも行けるので、色々な機器に接続してみました。 ディスプレイなので当たり前の事ですが、これに関しては逆に「MB168B+」では不可能な事だったので、ある意味新鮮です(笑)

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ポータブルディスプレイで一番やりたかった事が「外での撮影時に大画面で確認」なので、これは嬉しい限りです。 まぁ、HDMI接続の場合は電源が必要になるので、モバイルバッテリーや車などから電源を取る必要があります(車から電源を取るなら、普通のPC用ディスプレイでも構わないのでしょうけど・・・笑)

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もう一つ試してみたかったのが、こちらのOSDに書いてある「HDRモード」です。しかし、AX700のHDR出力はHLGなので、まともに表示できませんでした・・・(泣)「2084」って書いてあるからPQ(ST2084)じゃないとダメみたい・・・。これは、そのうちPS4等のゲーム機で試してみたいと思います。

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あと意外と楽しめたのが「Fire TV」と接続した時です。これは「LEPOW Z1」側がMini HDMIなので変換をかませる必要がありますが、家の中で15インチのテレビを自由に持ち歩いている感覚で使えます(モバイルバッテリーや電源の確保が必要です) まぁ、タブレットやノートPCでも良さそうですが、15インチの大きさで、ここまで携帯性に優れた製品はそうそう無いでしょう。ポータブルディスプレイ万歳です。ただ、私の場合は「Fire TV」なのでクルっと後ろへ回して貼り付けられますが「Fire Stick」だと横に飛び出るのが気になるかも・・・。

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こちらは15インチのMacBookProの横に鎮座した例。15インチ同士なので丁度良いサイズ感です。

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まとめ

ポータブルディスプレイはアイデア次第で使い勝手が広がる製品ですね。 Raspberry Piに繋げても良いですし、この手の製品では定番となっているNintendo Switchでも手軽に接続できます。Mac miniあたりとも相性が良いと思います(Thunderbolt 3搭載のモデルならば、ケーブル1本で繋がるのではないでしょうか?私のMac miniは古いタイプなので、HDMI接続に加えて、本体のUSBからモニタ用の電源を取って動かしてみましたが、電源オンオフに連動してうまく動いてくれました) 箱に記載されている仕様によると、リフレッシュレートは60Hz、輝度は300 cd/m²、コントラスト比は1000:1、応答速度は5msとの事。平均的なポータブルディスプレイのスペックです。 「LEPOW Z1」には大きく分けて2モデルあって、sRGB色域のカバー率が72%と85%の2つ。この色域のカバー率とは、簡単に言えば、この数値が高いほど、色の再現性が高く綺麗で自然な映像を映し出せます。sRGBとはPC等の一般的な色域の事ですね。最近では4Kの編集が多いので、色域はBT.2020規格のRec.2020を使う事が多いです(実際にはRec.2020を広くカバー出来る高価なディスプレイなんて持ってませんので、DCI-P3で編集していますが・・・)が、一般的用途ではsRGBで十分です。 ▼ フリー素材が無かったので、EIZO様の色空間図の転載させて頂きました。 color.jpg テレビ放送等の世の中の多くの映像作品はHDTV用のRec.709用に作られていて、この色域のカバー率が高ければ、クリエイターさんが意図した色を再現できる事になります。sRGBはガンマは違いますが、色域は上のRec.709とほぼ一緒です。ちなみに一眼レフ等で設定できるAdobeRGBやNTSCはsRGBより色域がもう少し広いです。 ただ、一つ疑問に思ったのですが、Amazonの説明ではこの製品sRGBカバー率72%となっていますが、NTSCカバー率72%の誤表記ではないでしょうか?(NTSC 72%ならば sRGBは100%になります・・・)見た感じ非常に色が綺麗に再現できていますし、DCI-P3(以上)のMacよりは落ちるのは仕方ないとしても、調整すれば一般的なWindowsのノートPCよりは、色が自然で美しいです。これでsRGBカバー率 72%や85%とは思えません・・・?NTSC 85%ならばsRGBは120%くらいですし・・・表記ミスでは?)気になったので、メーカーさんに問合せしてみます。 [7/18 追記] メーカーさんに問い合わせたところ、やはりNTSCが正解のようです。どのWindowsのノートPCよりも色味が綺麗だったので、おかしいと思いました・・・。その後、Amazonの商品ページがsRGBからNTSCに修正されておりました。でも、既に印刷済みのマニュアルはsRGBのままかもしれませんね。 大多数のWindowsをお使いの方はsRGB環境がメインなので、普段使いには問題ないでしょう。最大輝度も300cd(1カンデラや1ニトはろうそく1本の程度の明るさ)と、250cdだった「MB168B+」よりも明るいです。据え置き型のWindows用ディスプレイは250cd~300cdが一般的なので、こちらも過不足なしといった所です。色が重要な写真・動画編集で使う場合は、手動で色味をいじった方が良いでしょう。 さらに本体の素材も金属で剛性が高く、プラスチック筐体が割れた「MB168B+」と違って堅牢さが期待できます。ちなみに本体色にはブラックやブルー等の色違いモデルがあるみたいです。色域のカバー率72%のモデルに至っては、2万円を切る低価格なのもポイントです。 「LEPOW Z1」は安価だけど、高性能・高品質なポータブルディスプレイをお探しの方には、オススメできる逸品だと思います。 ▼ こちらが今回レビューしたsRGB色域のカバー率85%のモデル(NTSC 85% = sRGB 120%では?) ▼ 他にもsRGB色域のカバー率72%(NTSC 72% = sRGB 100%では?)のモデルやブラック・ブルー・シルバーの色違いのモデルがあります