古いWindowsタブレットにAndroidを入れてデュアルブートにしてみる [MSI WindPad 110W]

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当ブログでは、よくWindowsパソコンにMacOS Xを入れる夢を見ているのですが、今回はAndroidを入れてデュアルブートさせてみる記事です。 x86環境へのAndroidのインストールはずっと昔から行われていて、珍しくもなんともないのですが、親の使っている中華Androidタブレットが壊れてしまったので、代わりに使わないで置物と化している古いWindowsタブレットに最新のAndroid8.1を入れてみたら、思いのほか実用的だったので、そのやり方と、動作状況を載せてみようと思いました。
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今回使うのは、2012年くらい(正確には2011年12月)に発売されたドスパラの「Prime Erdes Pad NT1」というWindowsタブレット。 こちらはプロセッサにAMD Z-01を搭載した珍しいタブレットで、同時代のAtomよりもCPU性能は若干劣りますが、APU(AMDが呼ぶGPU統合チップの事)に「Radeon HD 6250」を搭載しグラフィック性能はAtom機の数倍という面白い機体。他にもメモリは4GB、ストレージには64GBのSSDを搭載するなど、当時のタブレットとしては結構頑張っているスペックです。オフィスなどのビジネスアプリなら、今でもサクサク動きます。 現代のゲームもAAAタイトルは無理として、インディーズのゲームなら3Dでもそこそこ動くのは驚き。後述しますがAndroidの3Dゲームも結構(Windowsより)快適に動きますよ。 実はこのタブレットMSIから発売されている「WindPad 110W」のほぼ同型機で、デザインやカラーリングに加えて若干の構成が異なる以外はOEM元の「WindPad 110W」と同一スペックです。下の写真で、机に置いている方が「WindPad 110W」です。
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この2モデル、メモリやSSDの換装が非常に簡単に行える(もっと言えばWiFiの換装や、二つ目のSSDの増設も可能です)のも特徴で、「WindPad 110W」の方は分解してメモリ8GBに128GBのSSDという構成にしております。

インストール用のUSBメモリを作成

では、早速WindowsAndroidデュアルブートでインストールする事にします。ブートローダーの関係でWindowsAndroidの順でインストールした方が簡単です(既存のWindowsと共存させる場合は、パーティションを再設定し直して、Android用に領域を確保して下さい) まずは「Android-x86 - Porting Android to x86」に行って、インストール用のISOイメージをダウンロードさせてもらいます。 新しいバージョンではnVIDIAAMDのハードウェアアクセラレーションに対応したと書かれていますね。「Radeon HD 6250」搭載の「WindPad 110W」では、さらなる高速化が期待できます。 Android-x86では、32bit版と64bit版が提供されているのですが、「WindPad 110W」の場合は64bit版だとエラーになったので、32bit版をダウンロード。
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次に「Rufus(ルーファス)」や「LiLi(LinuxLive) USB Creator」といったISOイメージをUSBメモリに書き込むソフトウェアをダウンロードします。どちらでも好きな方をお使いください。ISOイメージをDVD等に焼いた場合は、外付けDVDドライブから直接起動してインストールしてもかまいません。
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下のスクリーンショットでは64bit版を書き込んでいますが、先ほど述べたように「WindPad 110W」ではエラーを起こすので、当該機種にインストールする場合は32bit用を書き込んでください。Rufusの場合、「ISOHybridイメージを検出しました」というダイアログが表示されたら、推奨が付いている「ISOイメージモードで書き込む」を選択して下さい。
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これでAndroidインストール用のUSBメモリが完成です。

Windowsクリーンインストール

私の場合Windows7からWindows10にアップグレード済みなので、クリーンインストールを行う事にします。Windows10のインストールもUSBメモリから行う場合は、MS謹製のUSBメモリ制作ツールでISOを書き込みましょう。 もちろん外付けDVDドライブからでも結構です。ちなみに「WindPad 110W」の場合は、起動画面でF11を押すとブートデバイスを選択することができます。 既存のWindowsの入ったドライブにAndroidをインストールする場合は、この項目は読み飛ばしていただいて結構ですが、とりあえず「ディスクの管理」からAndroid用の領域を8GBほど確保しましょう。LinuxをLiveCDから起動して、パーティションを自由に編集してもOKです。 こちらはUSBメモリからWindows10のインストーラーを起動した様子。
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既にWindows10へのアップグレードが済んでいるので、ここでは「プロダクトキーがありません」を選択。
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次にWindowsをインストールするパーティションを選択します。 下の写真では、Windowsインストーラーを使ってパーティションを切ったので、先頭にシステムで予約済みの領域があります。別にこのままでもかまいませんが、この区分けが気に入らなかったので、結局Linux Live DVDから起動してAndroidが先頭になるようにパーティションを編集しなおしました。
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後はWindows10がインストールされるのを待つだけです。
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ドライバはほとんど勝手に当たってくれます。しかし、前に使っていたWindows 10 バージョン1709 (Fall Creators Update) では問題なかった画面の輝度調整が、Windows 10 バージョン1809 (October 2018 Update)を当てたら、出来なくなりました。 あと、Bluetoothにも不具合ありです。輝度が調整できないのは、何気に不便なので直して欲しい所・・・。
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次にAndroidのインストール

実機だとスクリーンショットが奇麗に撮れないので、ここからはMacの仮想環境によるインストール画面になりますが、実機でもほぼ一緒です。 まずAndroidが動くかどうかを確認するには、一番上のLive CDモードを選択します。 インストールする前に自分のマシンでAndroidが動くかどうかを確認した方が良いでしょう。 実際にドライブにインストールするには上から3番目のInstallationを選びます。ここではインストールを選択。
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Android用のパーティションを作成するため「Create/Modify partitions」を選択します。 GPTにするかどうかを聞かれたら「No」を選択。
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cfdiskが立ち上がるので「New」を選択して領域を作るか、既存の領域を選択します。画面例ではパーティションがありませんが、既にWindowsがインストールされている場合は、消さないように気を付けてください。 続けてプライマリーパーティションとするので「Primary」を選択。ブート可能なパーティションとするため「Bootable」も選んでおきましょう。 全てOKならカーソルを「Write」に移動して書き込みます(これが行われるまでは、パーティションの設定は書き込まれません)。最終確認を求められるので「yes」と入力。終わったら「Quit」を選択してツールを閉じます。
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次はAndroidを入れるパーティションのフォーマット。ここでは「ext4」を選択して下さい
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フォーマットするとデータが全部消えますよ~という警告が表示されるので、問題ないなら「Yes」を選択。
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ブートローダーの「GRUB」をインストールするか聞かれるので、「Yes」を選んで下さい。 これをインストールしないと、Androidは起動できません(後から自分で入れても良いですが面倒です) 仮想環境の例の場合は表示されませんが、Windowsが既にインストールされている場合に「Do you want to create a boot item for Windows?」と訊いてくるので「Yes」を選択します。
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システムディレクトリの書き込みの許可を求めるダイアログが表示されるので、root化したいなら「Yes」。 安全に使いたいなら「No」を選びます。
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Androidシステムの書き込みが始まります。
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スグに起動するか、再起動するか聞かれるので、お好きな方を選択して下さい。
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Androidの起動画面が表示されます。結構長いです。
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見慣れた設定画面の登場です。
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デフォルトのホームはこんな感じ。かなりサクサク動きます。普通のAndroidタブレットと同じですね。 1万円以下の激安タブレットよりも快適です。アクセラレーターが効いているからかな?
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こちらはアプリ一覧を開いたところ。基本的なシステムしか入っていません。
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まとめと起動の様子を撮影した動画

以上で「WindPad 110W」や「Erdes Pad NT1」 にAndroidを入れてみた記事は終わりです。 下に実際にWindowsからAndroidに切り替えた動画を載せておきます。上でも書きましたが、最新のWindowsにアップデートしたら輝度調整が効かなくなったので、最初は画面が暗いです。 電源オンからブートローダーに移った直後はタッチ操作が出来ないのでOSを選択するには、音量の上下キーでカーソルを移動して下さい。 決定ボタンは「WindPad 110W」や「Erdes Pad NT1」の場合は、タッチ式ボタンの一番上(「O-Easy」の起動ボタン)で行えます。 Androidで起動した動作感は、アクセラレーターが効いているのか、Android自体が軽いためか、かなり快適ですね。 国内で売っている1万円前後までで購入できる、低スペックAndroidタブレットよりもサクサク動いてくれます。液晶の解像度はFireタブレットより高解像度な1280x800なので、普段使いで困る事はありませんし、メモリも換装済みとは言え8GB(標準でも4GB)もあるので、ゲームのように処理速度を必要とするアプリ以外では問題になる事はないでしょう。ただ「Radeon HD 6250」のおかげか3Dゲームも、AAAタイトルでなければ、そこそこ動いてくれますね。 しかし、初心者が使うにはいくつか気になることがあって、親には結局AmazonのFireタブレットを渡すことにしました。 まず一つ目が、スリープからの復帰が電源長押しなので、ちょっと面倒です。加えて、スリープ中にインジケーターが点灯しっぱなしなので、これも気になります。また、Android用に最適化されてないためか、バッテリーの減りがWindowsの時よりも早いです。 そして、致命的なのが起動後にタッチ操作ができなくなる事があります。その場合は再起動する事で治ります。一度正常に使える状態で起動したら、電源を切らなければ良いのですが、上に述べたようにバッテリーの消費が大きいので、いつの間にか電源が切れている事もしばしば。 まぁ、これは「WindPad 110W」や「Erdes Pad NT1」の問題なので、他のタブレットやパソコンにAndroidを入れた場合は、上記のような問題はないかもしれませんし、逆に別の不具合がある可能性もあります。 WindowsパソコンへのAndroidのインストールはくれぐれも自己責任でお願いいたします。 ちなみに「WindPad 110W」や「Erdes Pad NT1」へはMacOS Xは入りませんでした(笑) MacOS Xの夢を見ている記事一覧はこちら