今回紹介する「Yota Phone 2」はロシアの端末メーカー「Yota Devices」が発売した、背面に
電子ペーパーを搭載するというユニークなスタイルで話題になった
スマートフォン「Yota Phone」の後継となる端末です。
一見するとイロモノ端末のように思えますが、背面の
電子ペーパー(E Ink)を生かした便利な使い勝手や、前面には1920x1080
ピクセルの
有機ELを搭載するなどスペックにも妥協はなく、個人的には万人にオススメできる端末に仕上がっていると思います。
最近では新型の噂も聞こえ、当初は高価だった価格もかなり落ち着いてきたので、こちらで紹介する事にいたしました。
購入にいたるまで
以前に「二画面
スマートフォン大集合!」の記事を書いたときに述べましたが、私は俗に言う「変態端末」が大好きです。
ガジェットマニアの皆様なら分かってくださると思いますが、「変態端末」とは、まれに傑出される他に類を見ない個性のガジェットの事で、出るたびに我々マニアの心を捉えて離しません。
中でも二画面端末は人気のカテゴリーで、パソコンから
スマートフォンまで多様な形でリリースされています。
「Yota Phone 2」はその中でも異色の存在で、
有機ELと
電子ペーパーという別々の性質を持つスクリーンを表裏に搭載し、それぞれの利点を生かした使い勝手を提案してくれます。
前面のメインスクリーンには5インチで解像度1920x1080
ピクセルの
有機ELを搭載しております。発色の良さもさる事ながら、明るさも十分で非常に綺麗なディスプレイです。CPUは
クアッドコアの「Snapdragon 801 2.26GHz」、メモリが2GBにストレージは32GBと、これだけでもハイエンド端末として十分通用するくらいのスペックです。他にも
NFCやワイヤレス給電(Qi)、VoLTE に対応しています。
最大の特徴となる背面の
電子ペーパーは4.7インチで解像度は960x540
ピクセルです。デフォルトで表示されるのは独自OSの画面ですが、使い勝手が考えられていてなかなか便利です。
こちらもメインスクリーンと同じマルチタッチ対応のタッチパネルで、後述する「YotaMirror」機能を使えば、前面と同じように
Android OSを操作する事ができます。
ちなみに、液晶と
電子ペーパーの二画面端末はその昔「Barnes & Noble」から出ていた「NOOK」や、「Yota Phone」のパクリ!?の「UMI ZERO 2」がありました。
そういえば、日本の
ガラケーにも
電子ペーパーとの二画面端末がありましたね・・・
「Yota Phone 2」で唯一残念なのが、
LTEの対応バンドが 800/1800/2600 なので、国内ではかなり限定的(東名阪の一部のエリア)なものになります。
個人的には3Gだけで十分なので、
LTEへの対応は軽視しているのですが、気になる方は対応エリアを確認してみてください。
いつの間にか国内
Amazonでも格安で購入できます。
しかも、国内
LTE対応可能な「YD206」です!
液晶保護シートはミヤビックスのがオススメ。海外から買ったものは品質がイマイチでした。
かなり高級感のある箱で、蓋の部分はマグネットで固定されています。
内容物は観音開きになっていて本体を挟んで、左右にアクセサリ類の入った箱が並びます。
開封のワクワク感が最高潮に高まった瞬間に、本体とご対面という心憎い演出です。
箱自体のデザインや素材も高級感があります。さらにアクセサリや本体はスポンジに包まれていて、これがロシアのおもてなしの心か(笑)と感心させられます。
本体はまわりの素材は
NOKIAなど海外端末によくあるサラサラした手触りのプラスチックで、高級感というより、上質感といった表現が似合います。
ボタン類も基本的にプラスチック素材ですが、安っぽくはないです。デザインも昔のGalaxy(
Nexus系)みたいで悪くないです。
最大の特徴の
電子ペーパーによる背面スクリーンです。こちらもタッチパネルなので、表面のように操作する事が可能です。
後述の「YotaMirror」による
Android画面のモノクロ表示も誤差拡散法による描画で、そこそこ快適にアニメーションします。
(
Android化した「
kobo」や「NOOK」の同等機能よりもなめらかで実用的です)
下部は充電・通信用のmicroUSB端子があります。Qiによるワイヤレス給電もできますが、こちらの方が一般的でしょう。
USB端子の周りは傷がつきにくいように、固めの素材で作られています。
上部にはイヤホンジャック。
右側にはボリュームキーと電源ボタン。
面白いのはこのボリュームキーがSIMスロットの蓋になっていて、ボリュームアップボタンの下にある穴の中に専用の器具を差し込んで蓋を開けます。
左側には何もなくすっきり。
前面は色鮮やかな有機EL搭載
前面のメインスクリーンは
有機ELになっているので、非常に色鮮やかで綺麗です。
解像度も1920x1080
ピクセルの
フルHD液晶なので、とても高精細です。
こちらの「YotaHub」というアプリから背面スクリーンの設定を行います。後半で詳しく掲載いたします。
背面はE Ink による電子ペーパー搭載
私が背面スクリーンでメインにしている画面設定はこちら。
時計と現在地の天気がでます(レビュー掲載にあたって設定をリセットしてるので、現在地がモスクワになってます・・・笑)
最下部にはカレンダー表示をさせています。
背面のOSは基本的に英語です。
スワイプして次画面に行くか、下部にあるナビゲーションバーの矢印を押すと次の画面に移ります。
写真ではバッテリーと
歩数計、通知を表示させています。
最後の画面では背面スクリーン専用アプリケーションのランチャーにしています。
FMラジオは背面専用ではないです。ラジオ好きなので、置いているだけ(笑)
起動すると「YotaMirror」によって
Androidが立ち上がります。
背面専用アプリケーション
「Yota Phone 2」には背面スクリーン専用アプリケーションがいくつか登録されています。
主にゲームですが、
電子書籍(
EPUB形式)ビューアや
RSSリーダー、メモ帳などもあります。
まず最初はチェスです。さすがにモノクロ画面に向いていますね。
お次はチェッカー。これもモノクロ画面に最適。
フリーゲームとして人気の2048もあります。これは結構ハマります。
時間つぶしで遊ぶと、必要以上に時間を浪費してしまいます。
こちらも基本の
数独です。
ゲームはどれも結構良く出来ていて、十分遊べます。
電子書籍(
EPUB形式)ビューアです。
ロシアも2バイト言語なので、フォントがあれば日本語でも表示できますが、さすがに縦書きまでは無理のようです。でも、横書きでよければ、標準アプリでも書籍を読む事ができるので便利です。
どうしても縦書きで読みたい人は、後述する「YotaMirror」という手もあります。
「YotaMirror」によるAndroid画面の表示
「Yota Phone 2」のメインの機能とも言えるのが「YotaMirror」だと思います。
これはメインスクリーンで操作するのと同じ
Android OSを背面のモノクロスクリーンで操作する機能です。
Android搭載の
電子ペーパー端末は今までもあるのですが「Yota Phone 2」の場合は高スペックのおかげで、かなり実用的にOSを動かす事が可能です。
電子ペーパー自体のレスポンスも悪くないので、今までの
Android搭載の
電子ペーパー端末とは一線を画します。
こちらが背面スクリーンに映し出された
Androidのホーム画面。
中間色を再現しない誤差拡散法のおかげで、かなり滑らかに動きます。
SONYの「Reader」で縦書きの書籍を表示したところ。普通に使えます。
ただ誤差拡散法で表示されているので、専用の
電子書籍ビューアに比べて字が汚いです。
背面スクリーンで
表計算を表示させたところ。
独自OSの場合は日本語入力ができませんが「YotaMirror」の場合は、
Androidで使っている日本語入力がそのまま使えます。
写真は
ATOKで
フリック入力しているところ。
「Yota Phone 2」はアプリや自分の使用方法に基づく独自OSと「YotaMirror」の使い分けが重要です。
「YotaLazyMirror」を使えば、特定のアプリを起動した時に背面に自動的に切り替えてくれます。
メインスクリーンは普通の
Androidなので、
スクリーンショットを撮る意味はあまりないのですが(笑)
とりあえず、ロック画面はこんな感じ。
ホーム画面です。ちなみに、この端末は
Androidのバージョンを5.1にアップしております。初期段階では4.4だったと思います。
基本的に「Yota Phone 2」は
Android標準のホーム・アプリに、背面スクリーン専用のアプリを若干入れただけで、かなり
Androidデフォルトに近いです。
私の場合は3画面目にアプリケーションを入れております。
3画面目にはゲーム。重量級のゲームを入れていますが、快適に動きます。
ドロアーはこんな感じ。アプリ名にYotaって付いているのが専用アプリです。
日本語は最初から普通に使えます。
電子書籍(
EPUB形式)ビューアでは、指定のフォルダに入れた
EPUBを認識して一覧できます。
残念ながら縦書きに対応しておりません・・・。
背面の独自OSの設定は「YotaHub」から
背面の独自OSは日本語は使えませんが、
Androidの
ウィジェットの集合体みたいなものでなかなか便利です。
こちらの設定に使うのが「YotaHub」です。
Androidのホーム画面のようにパネルを配置していきます。
上の実機写真のところでも書きましたが、時計と現在地の天気、最下部にはカレンダー表示をさせています。
左上のプラスマークを押すと、他の
ウィジェットと入れ替える事ができます。
歯車のマークは
ウィジェットの詳細設定です。
2ページ目はバッテリーと
歩数計、通知を表示させています。
後述しますが、右下のギャラリーのようなマークは背景画像の設定、その下のペンのマークはパネルの入れ替えを行います。
最後の画面では背面スクリーン専用アプリケーションのランチャーにしています。
アプリケーションは自由に選べます。
プリセットの背景画像を選んでいます。
パネルはある程度決められた形の組み合わせがあって、その中から自分に合ったものを選択し、個々の大きさにあった
ウィジェットを入れ替えて設定する感じになります。
1画面まるまる使うカバーもあります。
小さい
ウィジェットの選択をしています。
後述しますが「Yota Phone 2」は
Android標準のボリュームダウンキー+電源での
スクリーンショットの他に、「YotaMirror」を呼び出すときのホームボタン長押しメニューから
スクリーンショットを撮影することも可能です。
以下に、その方法で背面のスクリーンを撮影したものを載せておきます。
実機画像、前面
スクリーンショットに続いて通算3回目の表示ですが(笑)、またもや1ページ目のパネルです。
解像度が落ちて、960x540
ピクセルで表示されていると思います。
同じく2ページ目。
3ページ目。背面のスクリーンにはこの解像度で表示されています。
背面専用ゲームの2048の画面です。
こちらは
数独の画面です。
標準の
電子書籍ビューアです。
「YotaMirror」と違って、フォントが中間色を使って綺麗に表示されています。
縦書きに非対応なのが悔やまれます・・・
「YotaMirror」の起動はホームボタンを長押しすると、下のようなメニューが現れます。
左が「YotaMirror」の起動、右が
スクリーンショットのボタンになります。
「YotaMirror」時は低解像度で、さらにフォントが見やすいように縁取りされて表示されます。
下記は「YotaMirror」状態ではないときの
スクリーンショットですが・・・
「YotaMirror」になると、文字の周りが黒くなります。
ホーム画面でも文字の周りが黒くなっていると思います。解像度も落ちています。
こちらは設定画面。
スクリーンショットなので色が付いていますが、実際はモノクロです。
背面で文字入力を行った場合の
スクリーンショットです。
まとめ
「AnTuTu」
ベンチマークの結果はこちらです。
スコアは37530とFullHD液晶機としては普通です。
実際に触っていると、どんな操作もサクサクなのですが、思ったより低いですね・・・
結構重めのゲームなんかも動かしてみるのですが、こちらも数値よりも良い動きに見えます。
「
Xperia Z2」の頃の「Snapdragon 801(
クアッドコア)」なので、最近の
オクタコアの端末に比べると劣るのは仕方ないでしょうが、それでも一般的な作業ならほとんどの事をサクサクこなすので、基本性能は高いと思います。
やはり「Yota Phone 2」の最大の特徴は前面の
有機ELと背面の
電子ペーパーによる二画面構成でしょう。
これを生かした使い分けが出来るようになってくると、この端末を使う楽しさが倍増すると思います。
背面スクリーン専用の独自OSのデキがなかなか良いので、
Androidを開かなくても大抵のことはできてしまいます。
ただ、
電子ペーパーの最大のメリットだと思われる消費電力に関してですが、
Androidをメインスクリーンと「YotaMirror」で使い分けてもそれほど大きな差はなく感じられます。
独自OSやスリープ時の電力消費が少ない機種なので、
Androidよりも独自OSメインで使うならば、
電子ペーパーのメリットを生かせると思います。
個人的に気に入っている背面スクリーンですが、一つ苦言を言うとバックライトが無いのが残念です。背面スクリーンを最大限活用させたいのですが、やはりメインスクリーンの
Androidに頼らざるをえない場面が多いですね。
「Yota Phone 2」は新型が出る噂もあって、2016年8月現在3万円台で買えるようになってきました。
海外輸入ならば、セールだと税金を含めても3万円を若干下回る2万円台で購入できるそうです。
いつの間にか国内
Amazonでも格安で購入できます。
しかも、国内
LTE対応可能な「YD206」です!
液晶保護シートはミヤビックスのがオススメ。海外から買ったものは品質がイマイチでした。
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